ライラの冒険 黄金の羅針盤【吹替え版】(WOWOW)の感想 ★★☆☆☆_e0128069_14304734.gif
【ストーリー】
ライラの冒険 黄金の羅針盤【吹替え版】(WOWOW)の感想 ★★☆☆☆_e0128069_1431233.gif我々の暮らす世界とは似て非なる平行世界のイギリス・オックスフォード。
ジョーダン学寮で育てられた孤児のライラ(演:ダコタ・ブルー・リチャーズ)は、ダイモンのパンタライモンや親友ロジャーらと共に、騒がしい日々を送っていた。しかし街では次々と子どもが連れ去られる事件が発生し、親友ロジャーも姿を消してしまう。そしてライラ自身もコールター夫人(演:ニコール・キッドマン)に連れられジョーダン学寮から旅立つことに。旅立ちの日、彼女は学寮長から黄金色の羅針盤を手渡される。
“ダイモン”と呼ばれる守護精霊が人に寄り添う科学と魔法が融合したパラレルワールドを舞台に、少女ライラが運命の冒険へと旅立つ姿を描いていく。フィリップ・プルマンによる傑作ファンタジー小説の第一部「黄金の羅針盤」を映画化。
ライラの冒険 黄金の羅針盤【吹替え版】(WOWOW)の感想 ★★☆☆☆_e0128069_14315635.gif
【見どころ】



ライラの冒険 黄金の羅針盤【吹替え版】(WOWOW)の感想 ★★☆☆☆_e0128069_14323234.gifライラの前に突如現れる優艶なコールター夫人演じるニコール・キッドマン。その美しさは溜息が出るほど。あの流し目にヤラれる人も多々いのでは?数々の衣装も豪華絢爛です。ライラの冒険 黄金の羅針盤【吹替え版】(WOWOW)の感想 ★★☆☆☆_e0128069_14314717.gif







また鎧グマの対決や小動物から昆虫まで目まぐるしく変貌するダイモンの視覚化は迫力満点。更にファンタジー映画ならではのCGをフルに活用したパラレルワールドも壮大で圧巻です。
ライラの冒険 黄金の羅針盤【吹替え版】(WOWOW)の感想 ★★☆☆☆_e0128069_14383151.gif
【感想】
まず、いわゆるよい子ではない、自分の意志を貫く主人公ライラの人物像がいまいち。
冷静で勇敢雄弁な主人公を表現したかったのかもしれないが、イメージがまったく伝わってこないどころか、生意気で勝気でただの嘘つき少女にしか見えなかった。
そして何故ライラが羅針盤を持つべき「運命の子」なのかさっぱり分からない。この辺は原作を読んでいれば自然と把握できるのだろうが、序章でこんなに不親切じゃ先が思いやられるところだ。
更に今回、日本語吹替え版を見たのだが、吹替えをしている西内まりやの声とライラの強いイメージがさっぱり合わない。5000通の応募から選ばれたらしいが、どんな選考基準だかほんと理解できない。


全体を通してみても、この物語を設定している要所部分の理解がとても難解になっている。“ダスト(黄金の素粒子)”や“パラレルワールド”の秘密など、最後まで解りづらいし、ライラが冒険をするきっかけとなる親友をさらう描写についてもこれまた目的が印象薄い。
ライラの冒険 黄金の羅針盤【吹替え版】(WOWOW)の感想 ★★☆☆☆_e0128069_1439135.gifそして“ダイモン”と呼ばれる人間と一心同体の守護精霊の存在。これはいわば動物の形をした自分の分身であり、決して引き離されない物となっているが、その説明が不十分なので、単なるペットのように見える感覚すら感じるほどだった。
教権の企みやダイモンとの切り離しがどれだけ恐ろしい事なのかが、さっぱり伝わってこない。
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鎧グマのイオレクの苦悩も、ざっと早口で説明された感じでやはり同調出来なかった。

ユーモアもないし、冒険ストーリーならではのハラハラ・ドキドキ・ワクワク感も味わえないからほとんど面白くない。ストーリー的にはつまらなくもなさそうだったので、原作「黄金の羅針盤」は実際に面白いんだと思う。ただ、それを映画化した際に色々詰め込みすぎて表現しきれなかった・・・という部分が多すぎたのではないだろうか。結局、ビジュアル面が素晴らしかった(アカデミー効果視覚賞受賞)という点しか褒めることができない、いまいちな作品だった。


【参考まで】
~~以下、映画を見ただけでは分からない部分を親切に解説してくださった方の記述です。私もすっごく参考になりました(^^;)~~

『1、教権の企み』
ダストは子供にはあまり集まらず大人に集まります。ダイモンの固定とダストの集まりが関係があると睨んだ教権は“原罪”の物質的証拠として、ダストを邪悪なものとし、子供達が原罪を負わなくても済むように、ダイモンとの切り離しを考えます。

『2、原罪とは』
創世記「神に、食べてはならないと言われた善悪の知識の木の実を食べたアダムとイヴは、食べた後、目を開けて自分達が裸であることに気づき、イチジクの葉で腰を覆い、恥を知り罪が生まれた」ということと、子供がある時期を向かえるとダストが集まり出すことを、この作品では関連づけています。

『3、コールター夫人を警戒していた学寮長が、夫人とともにライラをロンドンに送り出してしまう理由』
学寮長は教権(総献身評議会、規律監督法院などの下部組織がある)から圧力を受けていたことと、羅針盤からライラの今後逆らうことのできない運命を理解していました。

『4、ラグナー・スタールソン(よろい熊の王)』
強力な支配者であるラグナーは、動物以上の更なる身分を欲しがり、自分のダイモンを持って人間と同レベルになりたがっていました。そこに目をつけたライラは、人間のダイモンは動物だが、動物のダイモンは人間だ、と嘘をつきラグナーにイオレクと戦うよう交渉します。

『5、よろい熊の戦い』
イオレク・バーニソンは片足をかばい劣勢でしたが、それは作戦でした。怪我をしたと見せかけ相手を油断させ反撃のチャンスを狙い、最後、一瞬で相手の顎を切り裂きます。



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